COLUMN

KYT(危険予知トレーニング)とは

運送の現場でよく聞くKYTは、事故やけがにつながる「危ないところ」を前もって見つけ、対策を話し合う練習です。進め方の基本と、トラックの運転や荷役の場面でどう役立つかを紹介します。

運送会社の安全教育でよく使われる言葉に「KYT」があります。K(危険)・Y(予知)・T(トレーニング)の頭文字をとったもので、事故やけがが起きる前に「どこに危険がひそんでいるか」を見つけ、どう防ぐかを考える練習のことです。この記事では、KYTの考え方と進め方、トラックの仕事でどう役立つのかをまとめました。

KYTは「危ないかもしれない」に気づく練習

事故の多くは、「まさか」「いつもは大丈夫だった」という油断から起こります。KYTでは、交差点や荷積みの現場などを描いたイラストや写真を見ながら、「この場面でどんな危険が起こりそうか」をみんなで出し合います。

たとえば、左折しようとしているトラックの絵なら、次のような危険が考えられます。

  • 左後ろから自転車が近づいてきて、巻き込んでしまう
  • 横断歩道を渡ろうとしている歩行者が、車の陰で見えていない
  • 曲がる途中で、後輪が縁石や電柱に当たる

一人では思いつかなかった危険も、ほかの人の意見を聞くことで気づけるようになります。

基本の進め方「4ラウンド法」

KYTの進め方として広く知られているのが、4つの段階で話し合う「4ラウンド法」です。

  1. どんな危険がひそんでいるか:場面を見て、起こりそうな危険を自由に出し合う
  2. これが危険のポイントだ:出た意見の中から、特に重大なものを選ぶ
  3. あなたならどうする:選んだ危険に対して、具体的な対策を考える
  4. 私たちはこうする:対策の中から、みんなで実行するものを決め、合言葉のように確認する

大切なのは、正解を当てることではなく、自分の言葉で危険を言い表し、対策を決めることです。決めた対策を声に出して確認すると、実際の場面でも思い出しやすくなります。

運転の場面で役立つこと

トラックは車体が大きく、運転席から見えにくい場所(死角)が乗用車より多くあります。KYTで「ここは見えにくい」「ここで人や自転車が出てくるかもしれない」と考える習慣がつくと、実際の運転でも早めに速度を落としたり、ミラーで確かめたりする行動につながります。

雨の日の路面や、夕方の見えにくい時間帯、細い道でのすれ違いなど、季節や時間によって変わる危険をテーマにすることもできます。

荷役の場面でも同じ考え方

KYTは運転だけのものではありません。荷物の積み降ろし(荷役)の場面にも、危険はたくさんあります。

  • 荷台の上で足をすべらせて転落する
  • 荷物を持ち上げるときに腰を痛める
  • フォークリフトやクレーンの近くで、作業している人と接触する
  • 積み方が不安定で、走行中に荷崩れが起きる

作業の前に「今日はどこが危ないか」を短く話し合うだけでも、けがや事故を防ぐきっかけになります。

なお、運送業の安全教育や作業に関する決まりは見直されることがあります。最新の情報は国土交通省や厚生労働省などの公式情報で確認してください。

まとめ

KYTは、特別な道具がなくても、場面を思い浮かべて話し合うだけで始められる安全の練習です。毎日同じ道を走り、同じ作業をしているときほど、立ち止まって危険を考える時間が大切になります。ユウセイ商事では、ドライバーが参加する安全運転会議を毎月開き、事故事例の共有やKYTに取り組んでいます。同じ日には、国の指針にもとづく12項目の勉強会も行っています。こうした取り組みは安全への取り組みのページで紹介しています。

この記事は、ユウセイ商事株式会社が運送業に関する一般的な情報としてまとめたものです。

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